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2014年8月 Archive
アイドルと話してみたい議題
- 2014年8月27日 11:05
小誌・最新号 MARQUEE(マーキー) Vol.104では、こんな話もしてます。
これは連載しているPeople In The Boxの波多野裕文くんとの会話です。
このタイプの話を、いつかはアイドルさん本人と話してみたいです。
AKB襲撃事件のことじゃなくて、本質の部分の話を。
アイドルにはスルー力が絶対必要。
よ~~~~く考えてほしい。
相手は、10代思春期のド真ん中。
ツイッター等で性悪~な感じ(よく見かけますよね)で中傷非難されたり、
からかわれたり、やゆられたり、今書かれたくない事を書かれたり、
でも押し黙って、いやそれどころか笑顔でいなければならない。
相当な精神的苦痛だろうし、
これを平気でいられる人だけがアイドルをやれる。
だからアイドルっていうのは基本、強いです。
人前に立つってことは、やはり覚悟のいることですよ。
感動が生まれるのもこの覚悟から。
でも、これ(性悪なヤツ)って、おかしくないですか?
いくら金払ってるからって。
そういうファンの甘えの構造に直結する話でもあります。
話のネタが古くて申し訳ないですが、
隔月刊ならではのタイムラグにつき、ご了承を。
ということで、急募!
どなたかアイドルさんで、「アイドルを取り巻く現状」話をする方、いませんか?
純粋に記事にしたいです。
ということで、よろしくお願いします。
P.S.相変わらず文章ムチャ長いです。お時間ある時に。
MMMatsumoto 僕が書いた『AKB襲撃事件』ブログを読んでくれたとのことで。
波多野 あの事件は本当色んなポイントがあって。要するに、知らない人がそれについて勝手な論理で話を展開していくっていう。まず一つは、それが一般論として世の中に広がっちゃうっていうことの愚かさですよね。それってどこに落とし穴があるかというと、みんな自分が知ってると思い込んじゃってる点だと思うんですね。よく松本さんが『現場に来ないと分らない』って言うでしょ? ネットとかで助長されてるのか、みんなそれを自分で知ってるものと錯覚しちゃうっていう落とし穴ですよね。
MMM 正確には、今まで覆い隠されてた邪心みたいなものが、ネットを介してただ現れただけ、ですよね? 波多野君も具体的に迷惑を被ったこと、あるでしょ?
波多野 人前に出ていく人っていうのはそればっかりです(笑)。勘違いの総合なんですよ。
MMM (笑)。だから理解してくれる人がいた時すごくホッとするくらいで。
波多野 でも、全部が全部勘違いでも、総合すると結構ちゃんとしたところに落ち着くは落ち着くんですよ。ただやっぱり明らかに的外れなものは見えやすい。今回の事件にしてもそうで、批判することは簡単なんですよ。だからこそそういうものが溢れ出ちゃう。そこに歯痒さがありますね。
MMM 確かに、この機会を利用してるだけの悪意満載の発言が多すぎて、愚かさの構図が丸見えだった。検証あってのAKB商法批判は全然問題ないんだけど。
波多野 あと松本さんのブログですごくいいなって思ったのは、「なんでそれを伝えないんだ?」っていう。あれもすごくよく分ります。
MMM あれは具体的なことを言うと、100%純粋に"優しさ"っていう言葉で置き換えられるほど単純な構造を持っていないのがアイドル現場だからなんですよ。つまり、私欲が延長した"ガチ恋"ってよく言われる疑似恋愛感情が働いてるから、負い目があるんですよ。で、アイドル側からしても、ファンによって自分の職=アイドルというものが成立してる部分も大きい。だから、手放しで優しさみたいな話とか、良き交流関係みたいには言い切れない心情が双方にある。だから皆強く発言が出来ないところはあるんですよ。でもそうは言っても個人差あれ、優しさの部分は基盤だから、だったらそれを今は発動した方がいいっていうことで書いたんですよね。
波多野 なるほど。確かに単純な話ではないですね。
MMM バンドもだけどファン意識って熱心な程複雑でしょ? 「自分のものにしたい」という気持ちも働きがち。売れると離れるって、よくある話で。
波多野 疑似恋愛ってなると、アイドルは特にそういう心理が働いたりするのかなって。
MMM 強いです。アイドルは本人が商品だから。ダイレクトゆえに複雑になりがち。だから困難・危機に直面した時は、良心を働かせることがすごく大事だと思うんだよね。誰だって良心も邪心はある。その良心の方をなるべく大きくする知恵が必要っていうか。波多野君は、例えばここの部分はバンドじゃなくて自分のソロで自分の楽しみとして取っとおきたいって感情もある?
波多野 僕はあったんですけど、でも最近は逆に一本化しようと思ってますね。やっぱそういうところの本質をバンドに注ぎ込まないといけない気がして。Peopleの成り立ちを考えると、自分で自分の表現欲求がどこまでとかよく分んないんですよ。そのサイジングを2人に任せてるところがあるんですね。裏を返せば、2人の為に作ってるようなところもあるんですよ。これ本当に人によっては想像しずらいかもしれないんですけど、自分の表現をするのはバンドにとって申し訳ないと思ってたんですよ(笑)。「それはエゴだろう」って思ってたんですけど、「申し訳ないと躊躇することはバンドにとって誠実なんだろうか?」っていう疑問が僕の中に出てきて。キッカケは、初めてソロの曲をバンドに持って行こうって思ったことなんです。「こんな良い曲をソロに取っておくのはバンドにとって失礼だ」と思ったんですよ。「あ、そういえばバンドの出発点てこれだったな」っていう。
MMM 今のやり方は、昔の独占欲に近いエゴの拡張ではないと。今は他の2人、もしくはPeopleっていうものに対して尊敬があると。その上で、バンドをよくする為には自分のソロ曲で良い曲があるんだったらそれを捧げる感じですよね。
波多野 その通りです。
MMM 僕がAKBブログで書きたかったのも、それなんですよ。自分が良くなる=全体が良くなるってこと。良くなる為に自分が動くということなんですよ。その"良心"が無いと事は実らないし大っきくはならない。アイドル流に言うと、武道館に行けない。
波多野 そうですね。だから趣味とそうじゃないものの違いってそこにあるし、やっぱり自分にとってPeopleとは何かをずっと考え続けては来たんですけど、それがやっと定まったんだなと思うし。今はもう視点が自分に向かってはない。やっぱり外なんですよね、自分を幸せにするっていうのは(笑)。
MMM 若い時っていうのは、視野の広い、例えば他のメンバーの為とか、バンドの為に自分は貢献してと言うと、それを"偽善"って言いたがる人が多い。なぜかと言うと、他人っていうものを信用しないから。それは自信の無さから来る保身ですよね。
波多野 それ俺分りました。今分りました(笑)。俺人を信用しなかったんですよ。本当は今でも。ただ、"信じる"ってことは分るんです。要するに例えば、「信じてたけど裏切られた」っていうのは実はすごい語義矛盾で。信じたら裏切られたという覚えをするはずが無いんですよね。っていうところで俺"信じる"って知ってるから、それをやるようになった感じですね。それってすごく危ないし怖いことではあるんだけど、音楽に関しては俺はそれが出来るというか。本当にね、それは色んな人間関係の中から学んだことなんですけど。今はもしかすると、俺は信じることが得意なのかもしれないとも思うんです。っていうのも、人から裏切られたっていうことが記憶が僕ないんですよ。
MMM それね、才能あるよ(笑)。つまり、裏切られてるんだと思うですよ、本当はね。でも、それをそんなに気にしないっていうか。
波多野 いや、俺気付いてない(笑)。
MMM そうそう(笑)。ある意味そこの鈍感さも必要。つまり「こういうこともあるさ」みたいな感じで済ませれるっていう。
波多野 そうですね。だから頭にきたり悲しかったりすることってあるんですけど、どれもこれも一応決着ついてるんです。すごいもがきもしたし、しかもそれが糧になってたりしてるんですよね。じゃあそれが"裏切る"だったかっていうと、全くそう感じてなくて。逆に感謝っていうか。そういうものを全て通過儀礼のように決着がついてるから(笑)。
MMM 多分その場は頭にきたりするんだけど、一晩寝たら忘れてしまう人ですよね。1週間もすると「あれも結構プラスになったなぁ」みたいなさ(笑)。
波多野 そういう性質もあるんですよね。俺激昂するんですけど(笑)、激昂する人って発散しちゃうから冷めるの早いんですよね。やっぱり溜め込んだりするのはよくないですね。最終的に自己培養されてトラウマになったりするから。僕も親との確執とか、大分決着がついちゃったんですよね。歳取ると「こういうことだったんだ」って分っちゃうし。
MMM 色んなことが解決していくと、純粋に音楽に向かえるじゃない。余計なこと考えなくて済むし。で、良心を発動する人の数は少なくてもいいんですよ。何故かって言うと、みんなの中に良心は潜在的にあるから。そこに訴えかければいいだけの話なんで。
波多野 そうかもしれないですね。要するにやっぱその最中にすごく頭にくるのは、そうじゃない人の想像力の無さでしょ? でも、良心は絶対に潜在的にあるから、それをどうにかして呼び出すっていう。
MMM そうです。今回はAKBを介してアイドル好きな人には全員当てはまる問題だったから、余計に良心の話はしやすかった。不特定多数ってくせものなんですよ。いっぱい人間が集まってくると疑問を持ち始める。「自分もそうだけどあの人は違うんじゃないか?」から端を発してやがて「あの人はこうだ」みたいな妄想に至る。決めつけに。それが山のように重なるわけですよ、特にネット上で。だからそういう時はシンプルに、一番最初の根の部分を見れば、答えは簡単に見つかると。
波多野 そうですね。でも、やっぱり頭くることいっぱいあるな~。一般論化されちゃうと、それを真に受ける人がいるっていうのが頭にくる(笑)。
MMM アイドルで言えば現場ですよね。AKB事件があって色んな論評が出てたけど、行ってる身からすれば、「この人知らないんだな」って分かっちゃう。だからそこで論を展開してても、出発点がズレてるから行き着く答えも間違ってるんですよね。何事も自分で経験する、出来ないんであれば想像する。つまり自分に置き換えて物事を類推してみるっていう作業をすれば、暴言・暴行には至らないんですよ。
波多野 そうそうそう。極端な方に寄ったりするのって、やっぱどっか綻びがある場合が多いですよね。
MMM だから、頭くる奴に対しては、これはいつの時代でもあること、繰り返すこと、つまり人間の成長過程においてそういう時期があるっていう、客観的な捉え方をした方がいいんですよね。若い時っていうのは、妄想して自分で敵を作ったり味方を作ったりしがちじゃない? 人間にとって成長期としてある事というか。
波多野 そうなんですよね。でも俺怖いのが、集団になるとそこが鈍る。要するにアメリカのベトナム戦争にしても。
MMM 国が発展してる時の事だね。発展途上から文化が芽生えてくると、経済論理が入ってきたりして、内戦が起こったりという、そういう定理・道筋があるわけだよね。国だって成り立ちの頃から青春期の頃はそうだったりする。人間の生理みたいなもので。そういう時期が大かれ少なかれみんなにあるっていうことまで分れば許容も出来ると思うんですよ。ノコギリを振った彼とか、昔秋葉原で車で突っ込んだ彼に、そういう覆いというか目線が届けば良かったのになぁって思うんですよね。無差別をやる人ってさ、孤独で、外との関係性が途切れてる人だから。
波多野 でもそれって、松本さんが言ったみたいに絶対人ってどっかで一瞬でも通ってる道ではあるんですよね。で、やっぱりそういう事件が起こった時の当事者の方をどう処理するかっていうところで、「この人狂ってるから」で終わらせるのがやっぱり一番よくないなって思うんですよ。
MMM それが次の犯行を助長させてますよね。自分のこととして受け止めないと。あの犯人は自分の邪心の亡霊・代理人くらいに思わないと。自分にもそういう瞬間や昔があったでしょ?ってことを思い出すことですよね。
波多野 そうそうそう。だから俺はもう全然分りますよ。本当もう俺「みんなブッ殺す」みたいな感じで歩いてましたもん(笑)。「街が燃えてしまえ!」みたいな。
MMM って感じでノコギリを振った彼と話し合えれば良かったんですよ。Twitterでもいいから。それを思うとメディア、特にテレビは責任が大きい。ああいう事件が起こった後のコメントは、一般論化せず、解説者個人の言葉で語ったほうが効力が出る。
波多野 本当そうですね。だからそれを引き受けようとすると、相当な労力っていう、何て言うんだろう? 愛情とか、っていうとこになっちゃうんですけど。
MMM そうです。だから何事も全て、いかに愛情を大きく持ってるか、深いかに尽きるんですよ。今回のAKB事件にしても、アイドルの現場もしくは今のアイドルというものがどういう成り立ちをしてて、現場がどうなってるかを知ってる人がコメントをしてれば、自ずと僕が書いたみたいに、現場っていうのはすごく平和で、アイドルとファンの間柄もとてもそんな殺人が起こるようなものじゃないし、探知機を使うような感じじゃない(笑)ってことも分かるはずなんですけどね。だから、想像力を持つことが大切なんですよね。
これは連載しているPeople In The Boxの波多野裕文くんとの会話です。
このタイプの話を、いつかはアイドルさん本人と話してみたいです。
AKB襲撃事件のことじゃなくて、本質の部分の話を。
アイドルにはスルー力が絶対必要。
よ~~~~く考えてほしい。
相手は、10代思春期のド真ん中。
ツイッター等で性悪~な感じ(よく見かけますよね)で中傷非難されたり、
からかわれたり、やゆられたり、今書かれたくない事を書かれたり、
でも押し黙って、いやそれどころか笑顔でいなければならない。
相当な精神的苦痛だろうし、
これを平気でいられる人だけがアイドルをやれる。
だからアイドルっていうのは基本、強いです。
人前に立つってことは、やはり覚悟のいることですよ。
感動が生まれるのもこの覚悟から。
でも、これ(性悪なヤツ)って、おかしくないですか?
いくら金払ってるからって。
そういうファンの甘えの構造に直結する話でもあります。
話のネタが古くて申し訳ないですが、
隔月刊ならではのタイムラグにつき、ご了承を。
ということで、急募!
どなたかアイドルさんで、「アイドルを取り巻く現状」話をする方、いませんか?
純粋に記事にしたいです。
ということで、よろしくお願いします。
P.S.相変わらず文章ムチャ長いです。お時間ある時に。
MMMatsumoto 僕が書いた『AKB襲撃事件』ブログを読んでくれたとのことで。
波多野 あの事件は本当色んなポイントがあって。要するに、知らない人がそれについて勝手な論理で話を展開していくっていう。まず一つは、それが一般論として世の中に広がっちゃうっていうことの愚かさですよね。それってどこに落とし穴があるかというと、みんな自分が知ってると思い込んじゃってる点だと思うんですね。よく松本さんが『現場に来ないと分らない』って言うでしょ? ネットとかで助長されてるのか、みんなそれを自分で知ってるものと錯覚しちゃうっていう落とし穴ですよね。
MMM 正確には、今まで覆い隠されてた邪心みたいなものが、ネットを介してただ現れただけ、ですよね? 波多野君も具体的に迷惑を被ったこと、あるでしょ?
波多野 人前に出ていく人っていうのはそればっかりです(笑)。勘違いの総合なんですよ。
MMM (笑)。だから理解してくれる人がいた時すごくホッとするくらいで。
波多野 でも、全部が全部勘違いでも、総合すると結構ちゃんとしたところに落ち着くは落ち着くんですよ。ただやっぱり明らかに的外れなものは見えやすい。今回の事件にしてもそうで、批判することは簡単なんですよ。だからこそそういうものが溢れ出ちゃう。そこに歯痒さがありますね。
MMM 確かに、この機会を利用してるだけの悪意満載の発言が多すぎて、愚かさの構図が丸見えだった。検証あってのAKB商法批判は全然問題ないんだけど。
波多野 あと松本さんのブログですごくいいなって思ったのは、「なんでそれを伝えないんだ?」っていう。あれもすごくよく分ります。
MMM あれは具体的なことを言うと、100%純粋に"優しさ"っていう言葉で置き換えられるほど単純な構造を持っていないのがアイドル現場だからなんですよ。つまり、私欲が延長した"ガチ恋"ってよく言われる疑似恋愛感情が働いてるから、負い目があるんですよ。で、アイドル側からしても、ファンによって自分の職=アイドルというものが成立してる部分も大きい。だから、手放しで優しさみたいな話とか、良き交流関係みたいには言い切れない心情が双方にある。だから皆強く発言が出来ないところはあるんですよ。でもそうは言っても個人差あれ、優しさの部分は基盤だから、だったらそれを今は発動した方がいいっていうことで書いたんですよね。
波多野 なるほど。確かに単純な話ではないですね。
MMM バンドもだけどファン意識って熱心な程複雑でしょ? 「自分のものにしたい」という気持ちも働きがち。売れると離れるって、よくある話で。
波多野 疑似恋愛ってなると、アイドルは特にそういう心理が働いたりするのかなって。
MMM 強いです。アイドルは本人が商品だから。ダイレクトゆえに複雑になりがち。だから困難・危機に直面した時は、良心を働かせることがすごく大事だと思うんだよね。誰だって良心も邪心はある。その良心の方をなるべく大きくする知恵が必要っていうか。波多野君は、例えばここの部分はバンドじゃなくて自分のソロで自分の楽しみとして取っとおきたいって感情もある?
波多野 僕はあったんですけど、でも最近は逆に一本化しようと思ってますね。やっぱそういうところの本質をバンドに注ぎ込まないといけない気がして。Peopleの成り立ちを考えると、自分で自分の表現欲求がどこまでとかよく分んないんですよ。そのサイジングを2人に任せてるところがあるんですね。裏を返せば、2人の為に作ってるようなところもあるんですよ。これ本当に人によっては想像しずらいかもしれないんですけど、自分の表現をするのはバンドにとって申し訳ないと思ってたんですよ(笑)。「それはエゴだろう」って思ってたんですけど、「申し訳ないと躊躇することはバンドにとって誠実なんだろうか?」っていう疑問が僕の中に出てきて。キッカケは、初めてソロの曲をバンドに持って行こうって思ったことなんです。「こんな良い曲をソロに取っておくのはバンドにとって失礼だ」と思ったんですよ。「あ、そういえばバンドの出発点てこれだったな」っていう。
MMM 今のやり方は、昔の独占欲に近いエゴの拡張ではないと。今は他の2人、もしくはPeopleっていうものに対して尊敬があると。その上で、バンドをよくする為には自分のソロ曲で良い曲があるんだったらそれを捧げる感じですよね。
波多野 その通りです。
MMM 僕がAKBブログで書きたかったのも、それなんですよ。自分が良くなる=全体が良くなるってこと。良くなる為に自分が動くということなんですよ。その"良心"が無いと事は実らないし大っきくはならない。アイドル流に言うと、武道館に行けない。
波多野 そうですね。だから趣味とそうじゃないものの違いってそこにあるし、やっぱり自分にとってPeopleとは何かをずっと考え続けては来たんですけど、それがやっと定まったんだなと思うし。今はもう視点が自分に向かってはない。やっぱり外なんですよね、自分を幸せにするっていうのは(笑)。
MMM 若い時っていうのは、視野の広い、例えば他のメンバーの為とか、バンドの為に自分は貢献してと言うと、それを"偽善"って言いたがる人が多い。なぜかと言うと、他人っていうものを信用しないから。それは自信の無さから来る保身ですよね。
波多野 それ俺分りました。今分りました(笑)。俺人を信用しなかったんですよ。本当は今でも。ただ、"信じる"ってことは分るんです。要するに例えば、「信じてたけど裏切られた」っていうのは実はすごい語義矛盾で。信じたら裏切られたという覚えをするはずが無いんですよね。っていうところで俺"信じる"って知ってるから、それをやるようになった感じですね。それってすごく危ないし怖いことではあるんだけど、音楽に関しては俺はそれが出来るというか。本当にね、それは色んな人間関係の中から学んだことなんですけど。今はもしかすると、俺は信じることが得意なのかもしれないとも思うんです。っていうのも、人から裏切られたっていうことが記憶が僕ないんですよ。
MMM それね、才能あるよ(笑)。つまり、裏切られてるんだと思うですよ、本当はね。でも、それをそんなに気にしないっていうか。
波多野 いや、俺気付いてない(笑)。
MMM そうそう(笑)。ある意味そこの鈍感さも必要。つまり「こういうこともあるさ」みたいな感じで済ませれるっていう。
波多野 そうですね。だから頭にきたり悲しかったりすることってあるんですけど、どれもこれも一応決着ついてるんです。すごいもがきもしたし、しかもそれが糧になってたりしてるんですよね。じゃあそれが"裏切る"だったかっていうと、全くそう感じてなくて。逆に感謝っていうか。そういうものを全て通過儀礼のように決着がついてるから(笑)。
MMM 多分その場は頭にきたりするんだけど、一晩寝たら忘れてしまう人ですよね。1週間もすると「あれも結構プラスになったなぁ」みたいなさ(笑)。
波多野 そういう性質もあるんですよね。俺激昂するんですけど(笑)、激昂する人って発散しちゃうから冷めるの早いんですよね。やっぱり溜め込んだりするのはよくないですね。最終的に自己培養されてトラウマになったりするから。僕も親との確執とか、大分決着がついちゃったんですよね。歳取ると「こういうことだったんだ」って分っちゃうし。
MMM 色んなことが解決していくと、純粋に音楽に向かえるじゃない。余計なこと考えなくて済むし。で、良心を発動する人の数は少なくてもいいんですよ。何故かって言うと、みんなの中に良心は潜在的にあるから。そこに訴えかければいいだけの話なんで。
波多野 そうかもしれないですね。要するにやっぱその最中にすごく頭にくるのは、そうじゃない人の想像力の無さでしょ? でも、良心は絶対に潜在的にあるから、それをどうにかして呼び出すっていう。
MMM そうです。今回はAKBを介してアイドル好きな人には全員当てはまる問題だったから、余計に良心の話はしやすかった。不特定多数ってくせものなんですよ。いっぱい人間が集まってくると疑問を持ち始める。「自分もそうだけどあの人は違うんじゃないか?」から端を発してやがて「あの人はこうだ」みたいな妄想に至る。決めつけに。それが山のように重なるわけですよ、特にネット上で。だからそういう時はシンプルに、一番最初の根の部分を見れば、答えは簡単に見つかると。
波多野 そうですね。でも、やっぱり頭くることいっぱいあるな~。一般論化されちゃうと、それを真に受ける人がいるっていうのが頭にくる(笑)。
MMM アイドルで言えば現場ですよね。AKB事件があって色んな論評が出てたけど、行ってる身からすれば、「この人知らないんだな」って分かっちゃう。だからそこで論を展開してても、出発点がズレてるから行き着く答えも間違ってるんですよね。何事も自分で経験する、出来ないんであれば想像する。つまり自分に置き換えて物事を類推してみるっていう作業をすれば、暴言・暴行には至らないんですよ。
波多野 そうそうそう。極端な方に寄ったりするのって、やっぱどっか綻びがある場合が多いですよね。
MMM だから、頭くる奴に対しては、これはいつの時代でもあること、繰り返すこと、つまり人間の成長過程においてそういう時期があるっていう、客観的な捉え方をした方がいいんですよね。若い時っていうのは、妄想して自分で敵を作ったり味方を作ったりしがちじゃない? 人間にとって成長期としてある事というか。
波多野 そうなんですよね。でも俺怖いのが、集団になるとそこが鈍る。要するにアメリカのベトナム戦争にしても。
MMM 国が発展してる時の事だね。発展途上から文化が芽生えてくると、経済論理が入ってきたりして、内戦が起こったりという、そういう定理・道筋があるわけだよね。国だって成り立ちの頃から青春期の頃はそうだったりする。人間の生理みたいなもので。そういう時期が大かれ少なかれみんなにあるっていうことまで分れば許容も出来ると思うんですよ。ノコギリを振った彼とか、昔秋葉原で車で突っ込んだ彼に、そういう覆いというか目線が届けば良かったのになぁって思うんですよね。無差別をやる人ってさ、孤独で、外との関係性が途切れてる人だから。
波多野 でもそれって、松本さんが言ったみたいに絶対人ってどっかで一瞬でも通ってる道ではあるんですよね。で、やっぱりそういう事件が起こった時の当事者の方をどう処理するかっていうところで、「この人狂ってるから」で終わらせるのがやっぱり一番よくないなって思うんですよ。
MMM それが次の犯行を助長させてますよね。自分のこととして受け止めないと。あの犯人は自分の邪心の亡霊・代理人くらいに思わないと。自分にもそういう瞬間や昔があったでしょ?ってことを思い出すことですよね。
波多野 そうそうそう。だから俺はもう全然分りますよ。本当もう俺「みんなブッ殺す」みたいな感じで歩いてましたもん(笑)。「街が燃えてしまえ!」みたいな。
MMM って感じでノコギリを振った彼と話し合えれば良かったんですよ。Twitterでもいいから。それを思うとメディア、特にテレビは責任が大きい。ああいう事件が起こった後のコメントは、一般論化せず、解説者個人の言葉で語ったほうが効力が出る。
波多野 本当そうですね。だからそれを引き受けようとすると、相当な労力っていう、何て言うんだろう? 愛情とか、っていうとこになっちゃうんですけど。
MMM そうです。だから何事も全て、いかに愛情を大きく持ってるか、深いかに尽きるんですよ。今回のAKB事件にしても、アイドルの現場もしくは今のアイドルというものがどういう成り立ちをしてて、現場がどうなってるかを知ってる人がコメントをしてれば、自ずと僕が書いたみたいに、現場っていうのはすごく平和で、アイドルとファンの間柄もとてもそんな殺人が起こるようなものじゃないし、探知機を使うような感じじゃない(笑)ってことも分かるはずなんですけどね。だから、想像力を持つことが大切なんですよね。
アイドルのリアル未来
- 2014年8月25日 17:58
『全アイドル、全運営、全アイドルファン、超絶絶対の必読!! プロデューサー・志倉千代丸氏、アイドル新構想「Stand-Up! Project」を語る』、
ということで、発売中の小誌 MARQUEE Vol.104(乃木坂46 表紙号)に掲載済みの取材記事をアップします。
とても重要なことが語られているからです。
なので拡散させたい、と。
こういう"ちゃんとした大人"が居て、
楽しみの現場も本当に作られていくというか、
たまには根底の部分をしっかり見据えて、
しかもポジティヴに考えるということは必要かと思います。
この記事は誰よりもまずアイドルさん達に読んでほしいです。
インタビュアーは岡島紳士氏。
株式会社MAGES.の代表兼プロデューサー・志倉千代丸が、新たなアイドルプロジェクト「Stand-Up! Project」及びアイドルレーベル「Stand-Up! Records」を立ち上げた。アフィリア・サーガやAKIHABARAバックステージpassをプロデュースする彼が、この新規プロジェクトで、アイドルシーンに何を投げ掛けるのだろうか。
――Stand-Up! Recordsを立ち上げた理由を教えて下さい。
「昔はアイドルって神みたいな存在だったんですよ。でも今は『会いに行けるアイドル』になり、距離が近づいた。結果、神から『人間』になったんですよね。地下アイドル、半地下アイドル、地上アイドル、いろいろいますけど、どれもこれも人間臭い。だから偶像や神ではなく、人間としてアイドルを扱わないといけないんだなと思ったんです。人間になったら生活が必要ですよね。無償で笑顔を振りまいて癒しだけを注いでくれる存在ではなくなっている。なんならファンから力を届けなければいけない。昔は与えるだけだったけど、今はパワーを交換し合って関係が成り立ってるんです。そういう『人間』を扱うレーベルを作ろうと思ったんですよ」
――具体的なきっかけはありましたか?
「去年の9月に、2020年に日本でオリンピックが開催されることが決定しましたよね。その瞬間にTwitterのタイムラインを見たら、アイドルたちがざわざわっとしてたんです。彼女たちの同年代の友達は大学、就活、受験勉強、結婚など、それぞれ将来に可能性のある道を歩んでいる。ふと周りを見回すと、自分の人生に不安を覚える要素がたくさんあるんですよね。『はて、私は6、7年後に何をやってるんだろう』と、リアルに考えたんです。それを僕は『オリンピック症候群』と呼んでるんですけど。構想としては前からあったけど、きっかけはこれでした。普段でも、アイドルってポジティブなこと言ってる方が少なくて、ネガティブなことばっか言ってる。それは将来が見えないからなんですよ」
――具体的にはどう将来をフォローされるのでしょうか?
「今笑顔を輝かせるとしたら、将来何らかの安心材料がないと無理なんですよ。だから満を持してグループを卒業した子には、母体の会社・MAGES.や、親会社のKADOKAWA・DWANGOなどに就職できるようにしようと。例えばタレントとして表舞台にずっと出続けるには100人に1人くらいの才能が必要です。そこからこぼれてしまった子のために、別のルートを探ろうと。例えばひとつのアイドルグループがあるとして、活動を続ければスタッフもアイドルも成長して行く。でも、スタッフ側にキャリアアップがあっても、アイドル側にはなかった。アイドルはただ終わって行くだけ。アイドルにもキャリアアップを作りたいんです。アイドルとして積んで来た経験って、実際に現場で生かせるはずなので」
――アイドルとしての実績を無駄にしない人生にさせたいと。
「そうですね。例えばアフィリアを卒業したら、イベント会場とかで社員として働いてる姿を見れるかもしれない。それをファンが望んでるかどうかも含めて、まだ手探り状態なんですけどね。でもね、望まなかったらおかしいんですよ。アイドルをやめた後は「じゃあ死ね」って言うのかって話だし。エンタメ業界の中で活躍してるんだっていう方が、落とし所としても、意外とファンにとってはいいんじゃないかと。でも、ちゃんとした卒業じゃないとダメですよ? ファンにもスタッフにも推されてる子なら、空気も読めるし、人間力が高いと思うんですよ。今後、このレーベルに何百人入るのか分からないし、その全員を就職させるかどうかは難しいけど、でも一部だとしても、キャリアアップできるよ、という仕組みにしておきたい。これがこのプロジェクトの根幹ですね」
――表に出るタレントだけでなく、裏方としての方向性も用意するということですね。
「そうです。その仕事はアイドルの育成かもしれないし、アニメの制作かもしれない。アフィリアだと、公にはしてないですが、既に正社員として働いている子が2人います。こうして前例があると、安心してアイドルとして全力疾走できるんですよ。むしろそれがなく笑顔で全力疾走できるアイドルって、僕に言わせれば謎のモチベーションでしかない。アイドルになった瞬間に福利厚生や、社会保険の問題をクリアにしてあげてもいいかなと思ってるんです。というより、クリアにして行かないといけないんですよ。アイドルを何だと思ってんのって話じゃないですか」
――社会人として認めてあげようってことですね。ところで他に先行のアイドル専門レーベルとして、タワーレコードのT-Palette Records、ビクターのVERSIONMUSICがありますが、それらとの差別化は考えますか?
「さすがに就職できるアイドルって他にないと思うので(笑)。あとうちだからこそできるのは、アニメとのタイアップですね。昔はアニソンはアニソン歌手が歌うものでした。でも途中からビジュアル系バンドが歌うという流れができたんですよ。よくアイドルを語る人たちが『二次元と三次元は相容れない』と言って来ましたが、これは相容れるはずです。ビジュアル系とアニメという間逆のものがひとつになりえたので。それよりは近いですよ。アニソンって、聴いてると作品のキャラクターやとあるシーンが想起されますよね?そこにアイドルのパフォーマンスが加わると、相乗効果で良いものが生まれるんですよ。今だとエビ中もアニソンを歌ってますよね。実際、アニサマ(アニソンの祭典。さいたまスーパーアリーナで開催)でもアイドルの枠が広がって来てる。アイドルがアニソンを歌うことが増えてるんです。レーベルとしても、そこは狙って行きたいし、KADOKAWA・DWANGOのグループとしてもアニメのコンテンツは死ぬほど持ってるので、そこを強みにして行かないと意味がないかなと。アニメとアイドルは相容れないと言っている人たちは、ちょっと古いかなと思います」
――ファン層もそこで広がりますよね。
「現状、アイドルの数に対して、お客さんの数は多くはないですから。市場規模としてはそれなりだけど、少人数のアイドルファンで回してる業界なんです。だから、いつどうなってもおかしくはない。だからこそ手を打って行かないといけないかなと。それが業界の延命措置になるし、規模の拡大にも繋がると思います」
――プロジェクトとしては、他にお考えの事はありますか?
「スクール事業は声優科、ボーカル科、ダンスパフォーマンス科など、以前からやっていて、アフィリアの子も行かせて、卒業させています。大体生徒数が300人以上の規模ですね。例えばレーベルに入った子は特待生扱いで入学金を免除とかも全然できるので。声優志望の子もいますし、声優のプロダクションとのコネクションもあります。アフィリアの子も声優の仕事をちょこちょことやってますし、これからもっと増えるでしょう。声優も含めて、将来食べて行ける道を多様化させたいです」
――今後アイドルシーンはどうなると思いますか?
「ここ5年はブームは続くと見ています。アイドル予備軍である今の小、中学生が、今のアイドルに夢をみてくれているので。でも5年後にその子たちが輝ける状況でないと、誰もそこを目指さなくなってしまいます。そうなれば、一旦そこでブームは終わり。だから今から数年でみんな現実を見るんですよ。今売れているアイドルがどうなって行くか、それを予備軍がどう見るか。アイドル業界を終わらせないためにも、このレーベルでやるべきことはやって行きたいですね」
ということで、発売中の小誌 MARQUEE Vol.104(乃木坂46 表紙号)に掲載済みの取材記事をアップします。
とても重要なことが語られているからです。
なので拡散させたい、と。
こういう"ちゃんとした大人"が居て、
楽しみの現場も本当に作られていくというか、
たまには根底の部分をしっかり見据えて、
しかもポジティヴに考えるということは必要かと思います。
この記事は誰よりもまずアイドルさん達に読んでほしいです。
インタビュアーは岡島紳士氏。
株式会社MAGES.の代表兼プロデューサー・志倉千代丸が、新たなアイドルプロジェクト「Stand-Up! Project」及びアイドルレーベル「Stand-Up! Records」を立ち上げた。アフィリア・サーガやAKIHABARAバックステージpassをプロデュースする彼が、この新規プロジェクトで、アイドルシーンに何を投げ掛けるのだろうか。
――Stand-Up! Recordsを立ち上げた理由を教えて下さい。
「昔はアイドルって神みたいな存在だったんですよ。でも今は『会いに行けるアイドル』になり、距離が近づいた。結果、神から『人間』になったんですよね。地下アイドル、半地下アイドル、地上アイドル、いろいろいますけど、どれもこれも人間臭い。だから偶像や神ではなく、人間としてアイドルを扱わないといけないんだなと思ったんです。人間になったら生活が必要ですよね。無償で笑顔を振りまいて癒しだけを注いでくれる存在ではなくなっている。なんならファンから力を届けなければいけない。昔は与えるだけだったけど、今はパワーを交換し合って関係が成り立ってるんです。そういう『人間』を扱うレーベルを作ろうと思ったんですよ」
――具体的なきっかけはありましたか?
「去年の9月に、2020年に日本でオリンピックが開催されることが決定しましたよね。その瞬間にTwitterのタイムラインを見たら、アイドルたちがざわざわっとしてたんです。彼女たちの同年代の友達は大学、就活、受験勉強、結婚など、それぞれ将来に可能性のある道を歩んでいる。ふと周りを見回すと、自分の人生に不安を覚える要素がたくさんあるんですよね。『はて、私は6、7年後に何をやってるんだろう』と、リアルに考えたんです。それを僕は『オリンピック症候群』と呼んでるんですけど。構想としては前からあったけど、きっかけはこれでした。普段でも、アイドルってポジティブなこと言ってる方が少なくて、ネガティブなことばっか言ってる。それは将来が見えないからなんですよ」
――具体的にはどう将来をフォローされるのでしょうか?
「今笑顔を輝かせるとしたら、将来何らかの安心材料がないと無理なんですよ。だから満を持してグループを卒業した子には、母体の会社・MAGES.や、親会社のKADOKAWA・DWANGOなどに就職できるようにしようと。例えばタレントとして表舞台にずっと出続けるには100人に1人くらいの才能が必要です。そこからこぼれてしまった子のために、別のルートを探ろうと。例えばひとつのアイドルグループがあるとして、活動を続ければスタッフもアイドルも成長して行く。でも、スタッフ側にキャリアアップがあっても、アイドル側にはなかった。アイドルはただ終わって行くだけ。アイドルにもキャリアアップを作りたいんです。アイドルとして積んで来た経験って、実際に現場で生かせるはずなので」
――アイドルとしての実績を無駄にしない人生にさせたいと。
「そうですね。例えばアフィリアを卒業したら、イベント会場とかで社員として働いてる姿を見れるかもしれない。それをファンが望んでるかどうかも含めて、まだ手探り状態なんですけどね。でもね、望まなかったらおかしいんですよ。アイドルをやめた後は「じゃあ死ね」って言うのかって話だし。エンタメ業界の中で活躍してるんだっていう方が、落とし所としても、意外とファンにとってはいいんじゃないかと。でも、ちゃんとした卒業じゃないとダメですよ? ファンにもスタッフにも推されてる子なら、空気も読めるし、人間力が高いと思うんですよ。今後、このレーベルに何百人入るのか分からないし、その全員を就職させるかどうかは難しいけど、でも一部だとしても、キャリアアップできるよ、という仕組みにしておきたい。これがこのプロジェクトの根幹ですね」
――表に出るタレントだけでなく、裏方としての方向性も用意するということですね。
「そうです。その仕事はアイドルの育成かもしれないし、アニメの制作かもしれない。アフィリアだと、公にはしてないですが、既に正社員として働いている子が2人います。こうして前例があると、安心してアイドルとして全力疾走できるんですよ。むしろそれがなく笑顔で全力疾走できるアイドルって、僕に言わせれば謎のモチベーションでしかない。アイドルになった瞬間に福利厚生や、社会保険の問題をクリアにしてあげてもいいかなと思ってるんです。というより、クリアにして行かないといけないんですよ。アイドルを何だと思ってんのって話じゃないですか」
――社会人として認めてあげようってことですね。ところで他に先行のアイドル専門レーベルとして、タワーレコードのT-Palette Records、ビクターのVERSIONMUSICがありますが、それらとの差別化は考えますか?
「さすがに就職できるアイドルって他にないと思うので(笑)。あとうちだからこそできるのは、アニメとのタイアップですね。昔はアニソンはアニソン歌手が歌うものでした。でも途中からビジュアル系バンドが歌うという流れができたんですよ。よくアイドルを語る人たちが『二次元と三次元は相容れない』と言って来ましたが、これは相容れるはずです。ビジュアル系とアニメという間逆のものがひとつになりえたので。それよりは近いですよ。アニソンって、聴いてると作品のキャラクターやとあるシーンが想起されますよね?そこにアイドルのパフォーマンスが加わると、相乗効果で良いものが生まれるんですよ。今だとエビ中もアニソンを歌ってますよね。実際、アニサマ(アニソンの祭典。さいたまスーパーアリーナで開催)でもアイドルの枠が広がって来てる。アイドルがアニソンを歌うことが増えてるんです。レーベルとしても、そこは狙って行きたいし、KADOKAWA・DWANGOのグループとしてもアニメのコンテンツは死ぬほど持ってるので、そこを強みにして行かないと意味がないかなと。アニメとアイドルは相容れないと言っている人たちは、ちょっと古いかなと思います」
――ファン層もそこで広がりますよね。
「現状、アイドルの数に対して、お客さんの数は多くはないですから。市場規模としてはそれなりだけど、少人数のアイドルファンで回してる業界なんです。だから、いつどうなってもおかしくはない。だからこそ手を打って行かないといけないかなと。それが業界の延命措置になるし、規模の拡大にも繋がると思います」
――プロジェクトとしては、他にお考えの事はありますか?
「スクール事業は声優科、ボーカル科、ダンスパフォーマンス科など、以前からやっていて、アフィリアの子も行かせて、卒業させています。大体生徒数が300人以上の規模ですね。例えばレーベルに入った子は特待生扱いで入学金を免除とかも全然できるので。声優志望の子もいますし、声優のプロダクションとのコネクションもあります。アフィリアの子も声優の仕事をちょこちょことやってますし、これからもっと増えるでしょう。声優も含めて、将来食べて行ける道を多様化させたいです」
――今後アイドルシーンはどうなると思いますか?
「ここ5年はブームは続くと見ています。アイドル予備軍である今の小、中学生が、今のアイドルに夢をみてくれているので。でも5年後にその子たちが輝ける状況でないと、誰もそこを目指さなくなってしまいます。そうなれば、一旦そこでブームは終わり。だから今から数年でみんな現実を見るんですよ。今売れているアイドルがどうなって行くか、それを予備軍がどう見るか。アイドル業界を終わらせないためにも、このレーベルでやるべきことはやって行きたいですね」
MARQUEE(マーキー)Vol.104 最新号予告
- 2014年8月 4日 13:59
最新号が完成しました。
発売日は、8月10日です。
今回の表紙&第一特集は、乃木坂46!
計25ページの特集です。
昨夜、地上波冠番組「乃木坂って、どこ?」で、
早10作目シングルのセンター・生田絵梨花さんが発表されましたが、
小誌最新号では、それまでの歴代センター、
生駒里奈さん+白石麻衣さん+堀未央奈さん+西野七瀬さんで、
撮影12ページとインタビューを掲載しています。
撮影テーマは、夏のバカンス。
また、川後陽菜さんの撮影+乃木坂シングルヒストリーインタビューも掲載しています。こちらの撮影テーマは、不思議の国のアリス(川後P)です。
その他、今回の乃木坂46特集は、いろんな側面を捉えたかったので、
「16人のプリンシパル trois」や「乃木坂アンダーライブ」のレポも掲載。
更に、詞曲・映像のクリエイティヴに特化する乃木坂46に焦点を当てて、
「シャキイズム」や「ガールズルール」等のMV・PV監督の柳沢翔監督の、
インタビューと貴重な幾つかの作品コンテも掲載しています。
「ナイフ」「milk」、撮影監督を務めた「気づいたら片想い」も含めて、
作品制作の裏舞台や、監督の目を通したメンバーエピソードも
盛り込まれています。
実はあまり乃木坂46を知らない、と言う人には、
とりあえず、「君の名は希望」「バレッタ」「気づいたら片想い」を聴いてほしいです。そして必ず「ガールズルール」「バレッタ」「気づいたら片想い」のMVを観てください。本格的な映像美の、短編映画で、はるかにMV枠を超えてるので。
裏表紙&第二特集は、みみめめMIMI。
みみめめMIMIは、ヴォーカルが声優のタカオユキであることを初ライブの場で明らかにし、その待望の初ライブは赤坂BLITZでのワンマンという形で大成功をおさめました。今回はみみめめMIMIの「視聴覚音楽」という表現の魅力を解き明かすため、密着スタイルを含む特集となっています。
デビュー1年、ついに発表されるファースト・アルバムで明らかになった全貌を巡るインタビュー。更に初ライブ前のリハスタの様子とミニ・インタビュー、当日の本番前の様子、そしてライブレポートと立体的にお届けします。
巻頭特集が、アイドル新レーベル「Stand-Up! Records」特集。
所属アイドルであるアフィリア・サーガ、アイドルカレッジ、青SHUN学園をフィーチャー。
プロデューサー志倉千代丸氏の画期的なアイドル構想も必読です。
巻末特集は、SuG。
撮影+最新シングルインタビューに加えて、
SuG 武瑠くんとアーバンギャルド 松永天馬氏の対談も掲載です。
また、チームしゃちほこ、夢みるアドレセンス、Dorothy little Happy、
寺嶋由芙(新連載もスタート!)、ひめキュンフルーツ缶、palet、
愛乙女★DOLL、Faint★Star、放課後プリンセス、READY TO KISS、
バンドじゃないもん!などなども。
8Pとじ込み計10P特集で、関西の新鋭バンド、BURNOUT SYNDROMES、
People In The Box、the brilliant greenなども掲載です。
詳細はこちら↓
http://www.marquee-mag.com/issue.html
よろしくお願いします。
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