- 2015年8月10日 03:38
大好評連載、でんぱ組.incの夢眠ねむさんの連載「まろやかな狂気」。
ねむちゃんが思う"アイドルに関する事柄"を、
教材としても使えるよう、記録していくことを目的の連載です。
その5回目は、「色」。
アイドルの色分け。その奥底にあるだろう心理の話です。
夢眠ねむさんの色は、ミントグリーン。
今回も自分の心理を読み解きながらのアイドル言及・示唆に富みます。
では、どうぞ!
(MARQUEE Vol.110のP66から続く)
分がどこの位置か分んない人しか位置のことなんて考えないと思うんですよ。みんなが考えなくて済むところを超考えてる人が多い」
――具体的に、例えばどんなことを考えてますかね。
「『この脇をどう固めたらセンターの子はやりやすいんだろう?』とか、そういう別の手間のことだったり、『全体としてはどう動いたらパッケージとして見えるんだろう?』とか。今度その『デカレンジャー』の緑の人が、10周年で新しくVシネで『デカレン』をやるんですけど、脚本も書いてたりして、やっぱり裏側に通じてる人が多い気がします」
――プロデューサー気質、客観的な視点を思ってる人が多いと。
「客観的に見れる。『なんで自分が緑なんだろう?』っていうところから入ると思うんですよ。ピンクだったらスッともうイメージがあるけど、『緑って何役なんだろう?』っていう"?"から入ったりするから」
――ねむちゃんが一番最初に、自分は緑が好きだと認識したのはいつ頃なんですか?
「最初は全然思ってない。私はずっと銀色が好きだと思ってたんで。ずーっと銀色が好きで、高校時代も銀色が好きだったけど、でも銀色とミントグリーンって合うんですよ」
――うん、合いますね。
「なんとなく昔から『ピンクとか赤はガラじゃない』って思ってたんですよ。例えば、キティちゃんとばつ丸がいたら、キティちゃんを心の底で好きなんだけど言えない、みたいな。それでばつ丸の方がいいと言う、みたいな。自分の見え方をすごく気にしてた」
――何かきっかけあってミントグリーンだなと思ったんですか?
「ずっと好きだったけど、別に特筆することも、アイドルでもないから言う機会もないから"銀"って書いてたんですけど、アイドルをやることになって、でんぱ組.incの前身でフジミントっていう2人組グループを始めたんですよ」
――フジミント。初めて聞いた。
「はい(笑)。個展もやってますよ、昔ディアステージで。六本木のSuper Deluxeで展示もやってます。そこに水玉おんらいんがゲストで来てくれて」
――そのユニットの実態は何なんですか?
「うさぎのなみ平ちゃんていう子と私のユニットで、当時ディアステージには、まずピオラビがいて、水玉おんらいんがいて、フジミントがいるって感じでしたね。ちゃんと活動してましたね。絵描いたり」
――フジミントって誰が名付けたんですか?
「2人で付けました」
――じゃあもうその時には意識してるんだね。
「その子がピンクだったんですよ。『ねむ何色にする?』って言われて、ピンクに合う自分の好きな色ってミントグリーンだなってスッと思ったんですよ。その時、自分のテーマカラーが初めて決まったんです」
――銀色ではなく。
「銀じゃなかったですね」
――銀は好きな色として今も気持ちの中に残ってるんですか?
「ずっと好きな色。でも最近金の方が好きかも。お母さんが金色と緑が好きだから、ちょっと"緑"って言えないっていうか。お母さんの色だなっていうのがあったけど、でも家も昔からお風呂の壁がミントグリーンだったりとか、どっかにずっとミントグリーンがいた気がして」
――ああ、じゃあ小ちゃい頃から綺麗な色だなって思ってたんだ。
「好きでした。あったら選ぶ。あんまりあんなクリーミーな色ないから(笑)。クリームソーダが世界で一番好きな飲み物だったから。親とご飯を食べに行く時に飲める、そこでしか飲めない。1回廃盤になったんですよ、行ってたお店で。でも頼んで作ってもらってた。ずーっと(笑)。だから私が頼むから結局裏メニューで出し続けなきゃいけないことになって(笑)。その時、白とすっごい綺麗な緑が混ざった時にあの色になるのが、すっごいドキドキしてた。多分それが最初かもしれないですね。クリームソーダで出来る色みたいな」
――あー、そこですね、きっと。
「自分が作る色なんだと思う」
――イメージがね。で、テーマカラーになったからにはグッと意識したわけですよね。
「それはもう(笑)。目には入るわ、どんどん『私は"ミントグリーン"』発言をしてたら、"ねむ色"って言われるようになり、私はそれが嬉しくて。やっぱ赤だと赤、青は青ってなるけど、わざわざミントグリーンって言うよりねむ色って言う方が早いみたいな(笑)。だからミントグリーンに対する意識はすごく強いですね。ここ数年流行ってるんですよ、ミントグリーンが。運的にもいい色らしくて。だから巷にも溢れてて買いやすいんですけどね」
――今やミントグリーンが、でんぱ組で活動していく中で武器・鎧にもなってると。
「そうですね。でも他のメンバーが青です、赤です、黄色です、紫です、白です、って言ってる中、『ミントグリーンです』なんて言ったら長いじゃないですか(笑)、表記も。『揃えて!』と、みんなは言わないけど、面倒くさそうだなっていう時は『緑です』って言うようにしてます。でもちゃんと事務所が"ミントグリーン"って書いてくれ続けてるし、例えばMIKIO SAKABEさんに服を頼む時も、ちゃんと私の好きなミントグリーンを出してくれるし、私が『これはミントグリーンだな』っていう範囲の色を作ってくれるんですよ。もうチームとしても『ねむちゃんはミントグリーン』で通っていて『似合う』とも言ってくれるんですけど、外に行くとやっぱ『珍しいですね』とは言われます、ミントグリーンにこだわるっていうのは。だって頑固じゃないですか。多分一般的には『緑でいいじゃん』みたいなことだから」
――また展示はやるんですか?
「だから緑展をどうしてもやりたいんですよ」
――でも緑って洋服だと特に難しいし、野菜等の自然食以外だと食べ物で緑というのも、あんまり好まない人が多いかも。
「好まない。緑の服着てる人とかいない(笑)。私も合わせが難しいと青を選んじゃうもん。真緑は難しくて着ないです。ミントグリーンは着ますけど。でも、こうやって見ると緑っていっぱい使われてるんですよね。色彩構成のテストでもやっぱ緑ってすごい難しかった気がする。横に置く色も野暮ったくなるというか。爽やかじゃないんですよね、重たいんですよ。なんか暗い(笑)」
――その点ミントグリーンは青が入ってるから。
「青、あと白が入ってますね。それがキーですね。中間色のくせに、まだ彩度と明度も中間にしてみたいな。明るくしてる感じですけど、どんどん曖昧にしようとしてる私の気質がバレてますね、もう。曖昧な混乱が大好きな」
――でもミントグリーンは中間色の中でも地位を確立してますよね。"ミントグリーン"っていう響きも含めて、いいイメージがある。
「分る。携帯とかの新機種が出た時に数少ない色数のくせに採用される。ピンクの次ぐらいに優遇されてる気がします。でも緑だと全然人気ないんですよ。だからなんでちょっと薄めた瞬間になんでよくなんの?みたいいなところはありますよね。深層心理とか科学者とか入れないと、次の展示はダメな気がして来た」
――基本アイドルさんの場合、原色が多くてバキバキしてますが、でんぱ組は組み合わせが少し変わっているかも。
「ピンクがいないし、結構独特な色味なんですよ。白のくせにグレーだし大体(笑)。だから今アイドルで色分けしてる子達って、握手会とかで来てくれたりして、『アイドルをやってるんですけど、ねむきゅんに憧れたので緑にしました』とか、そう言ってくれる人とかもいて。みんな今どうやって色を決めてるんだろう。やっぱりピンクじゃんけんしてハズレた順なのかな」
――ねむちゃんは潜在的にピンクも好き気がします?
「好きな気もするんですけど、ずっと抑えてきてたから。だからフリフリの服を着たいってなんとなく言えない、みたいな。でんぱ組.incのメンバーって多分そういうところがあるから。逆に跡部みぅは真っ直ぐ育ってるから、腐女子だけど、『ピンク好き~』って言える。アイドルって基本的に『ピンク好き』って言える子がなってるから。みんなの色決め会議とかすごそう。あと、どうやってセンター決めたの?とか、そういう話を聞きたい。私がそのアイドルの色深層心理師だったら、絶対無意識にこう動いてるよって言ってあげると思う。赤の子だったらこうで、とかはあると思うから。だからファンの人で、『俺、黄色ばっかり推しちゃうんだよね』って言う人いますよね。『珍しく赤好きだ』とか。それって別に話題にしなくていいことなのに、やっぱどっかでやる側も推す側も考えてるんだと思う」
――色って潜在的な部分に影響しそうだからね。今回はなんか自分の謎に迫る、みたいな話なったけど。
「緑に『何かあるぞ』って気になってるから、緑になっちゃった子達に対する興味も尽きないんですよね。でも緑って結局はすごい愛されるから。だって木とかの色だし。絶対生きる為に大事な栄養素とかの色だし。でもなんかそれだけじゃないですよね」
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