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MARQUEE(マーキー)Vol.113 夢眠ねむ(でんぱ組.inc)連載「まろやかな狂気」Notes.008「ライヴ」続き

  • Posted by: MMMatsumoto
  • 2016年2月12日 17:17
  • MMM
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さてさて恒例の"途中まで本誌、途中からこちらブログ"でんぱ組.inc 夢眠ねむさんの大好評連載です。
本誌のほうでは、確か...「恩人でもあるファンに申し訳な」で切れてましたね。
続きは、こちらのブログ「いと思うから、」から始まります。

今回は今ツアー中のでんぱ組.incにピッタリなテーマ「ライヴ」です。
いつものように深く深くななめりながら旋回します。
ファンとの距離感の話やディアメンの話など、
結構切実な至近距離の話満載でヤバイです。

今回の本音を活かすも殺すもあなた次第。
ではでは、良き旅を!



いとも思うから、昔のファンを大事にしすぎと思われても仕方ないんですけどね」

――でも、今のでんぱ組があるのは苦境の中、最初の20人くらいが支えたからなのは間違いないわけで。

「ライヴに来てくれた人は分かってくれて、『これを観れたのは...』って言ってくれたり、例えば武道館で私が言った話を聞いた人も、理解してくれるんだけど。でも私の発言を絶妙につまんでくと、昔の人しか大事にしてないように見えるらしいの。そんなことないですよ。もちろん、今支えてくれてる人がいなかったら、またこの先もないんだから。だからみんなもそれに加担してくれてるっていう自覚をもってほしいの(笑)」

――古いファンと新しいファンが、でんぱ組.incという課題を通して相互理解。それがベストなファンの在り方かと。

「昨日、夢眠軒で喋ってたら、中堅が一番ツライって(笑)。上からも下からもみたいな(笑)。なんか、新しいヲタ芸もできないし、昔からのヲタ芸もやり過ぎると古参ぶってるみたいになるから、難しい、じっとしてようっとか言ってて(笑)。でも中堅って、すごい進まないとできないポジションだから、でんぱも大きくなったなと思いました(笑)」

――今、"Future Diver"スタートって言えば、もう古参なんだと思うんですよ。でも当時はピカッピカの新参だった。

「今はもっとすごいんですよ。例えば今、"破!to the Future"にピンときていないらしく、"Future Diver"の時代は良かったよなみたいなことを言ってる人に言いたい(笑)。うちら"Future Diver"を一発目やった時、すごい批判食らったんだから! なんだその速い曲!って言われて(笑)。でも、それもいいと思うんです、今は。最近のイメージだと、でんぱ組.incの曲って速いって思われてるけど、"Kiss+kissでおわらない"とか今聴くと、すっごいゆっくりだからねと思って。今のでんぱらしさって、ここ何年かのでんぱらしさっていうだけだから。長い目で見ると、すごいスピードで進化してるわけですよ。いろんなものを捨てて、新しく拾って、それでも手元に残ってるだけだから。まぁでも、時代ってそういうものだと思うんです」

――人間の成長段階みたいなものかなと。

「時々私、長老みたいな気持ちになるんですよ。『うむうむ』みたいな。だから今、ファンの間で起こってる事も全部愛しく思えるんですよ。『この曲でこの口上はやめた方がいいんじゃないか』といった論争が、まだこの規模感で起こってること自体が愛しいです。なんか、まだディアステージで20人が観てた時のような、『この口上よりこっちのほうがいいだろ』みたいな論争を、すごい広い所でやってるみたいで。みんなは真剣にやってるから、私は『うんうん』としか言えないんだけど」

――いや、マジ珍しいですよ。

「なんか、ガチ恋口上をするかしないかみたいな話なんですよ。私はそこが問題じゃないんだと思うけど。もっと面白い事をすればいいんじゃん!って思う、全部忘れて。それで、私が"檸檬色"の口上を作ろうと思ったんですけど、1行でセンスないなと思ってやめちゃったの(笑)。だから、ここで、これをするしないっていう概念だとね、違う。ディアステージマインドだとね。アハハ!」

――だから、そういう時こそ古参の人が一言とか。

「いや、古参の人もおじいちゃん化してるから。私がおばあちゃんなように、『うむうむ』ってなってるわけ(笑)」

――昔だったら本当に喧嘩になっちゃいそうだけど、今『うむうむ』だから、ちょうどいい感じなのかも。というか、お互いに作っていく自由な精神が、ディアステ・マインドなわけですよね?

「そう。例えば最初サンダースネイクを打ってて、それが幻のヲタ芸って言われてたけど、今やもう一番ベタなヲタ芸になっちゃった。で、大阪からムラマサ(というヲタ芸の一種)が入って来て。そしたらディアステージはサイコチャリオットタイプSとか作ってたんですよ。なんか変なやつをね。『サイコチャリオットタイプSだ!』とかやって、『は?』みたいな(笑)。ディアステージはそうやってヲタ芸をどんどん開発していった密閉空間だったから、今そういう所があるといいですよね」

――今、妄キャリがわりとその感じを継いでるような。元を言えばディアメンからの流れだから、口上やヲタ芸を作ることは自然というか。でんぱも含めてディアステージの文化だけど。

「でんぱは、まずリフトがダメっていう。普通に危ないから。あと前に押し寄せるのも、女の子もいっぱいいるし禁止してますけど、私はそのベタな口上を覚えてみんなで言うっていう楽しさまで行けるっていうのは、すごい嬉しくて。ドレミの歌を歌えるようにでんぱの口上を言えるっていうのは、それはそれでかっこいい形だなと思えるから。もちろん古いのを大事にしてくれてるのも、嬉しいは嬉しいんですけど。確かに新しい曲が出来た時に、誰がどう作るんだって、個の規模感って難しいです。私が"檸檬色"の口上を考えかけて断念したのは、アイドル側が発信するものじゃないっていうのもあるんだけど。こっからディアステージサイズを広げてくのって、また5周年みたいなところで、新しい課題みたいなところではあるんですけど。でも内発信、メンバー発信はしたくないから。ヲタ芸や口上に関しては、よくメンバーが喜ぶとか嫌がってるとか意見が行き交うんだけど、まず会場に来てくれるっていうところで私達は嬉しいから、そのプラスアルファは、本当にみんなのさじ加減だけなんです。自己紹介してる途中に喋られたりとかは嫌だけど。そこは普通の感覚で」

――時々スペシャルライヴをやってほしいなって思うんです。

「なんですか?スペシャルライヴって」

――昔のディアステージのようなライヴです。密閉でコアな。それを一番最後に観れたのは、多分2013年11月28日キネマ倶楽部でのバンもん!との2マンですよ。あの熱量で観たい。セキュリティ問題で不可能と思うけど。で、その様子を若い子達にも観てほしい。

「実は私、禁止してる所でそれはやってほしくないんですけど、どうしても懐かしいっていうか、その"気"を浴びないと、ライヴをちゃんとみんなと楽しめてるか分かんない時があるんですよ。私だから夢眠軒やめないんですよ。ディアステージでのライブ、もう7周年ですけど、7年前と一緒だし、私がディアステージで歌ってた時とまるっきり一緒なんです。かっちり決まってるんです、やる事は。なんだけど、やっぱりすごく気持ち良くて。いる人は昔と違ったりするけど、やっぱ会場をリードしてる人がいて。湯治じゃないけど、温泉みたいな感じで定期的に浴びてるんですね。だからファンのみんなも、『これがあれなんだ』っていうのを体験してほしい。"ホタヒカ"っていう曲を出してて、夢眠軒の最後に歌うんですけど、最後『らららら~』っていう時に、いきなりみんな肩組んで揺れるの。それがすごく楽しくて。なんか、それはやめられないし、それって大きい会場では出来ないし。そこに来たっていうのは、縁があって、そこのタイミングに合った人だから、それが体験できる資格じゃないけど、巡り合わせだったということだと思うんです。そういう聖地的な雰囲気は残しておきたいんですよ」

――新しい人達も来られてますか?

「夢眠軒は高校生もきますから、大丈夫ですよ。じわじわとちゃんと残してますから。種みたいなのを(笑)。でも大きいライヴでやっちゃ駄目だぞって、歌のお姉さん的な感じで(笑)、言ってやってます」

――今でも現場に行って、後ろのほうでヲタ芸打ってる人達がいると、ついつい見ちゃうんですよ。打つ人も最近少なくなってきた気がしますね。

「確かにね。一人だけ動くと周りの人に当たっちゃうから、小さく打つのは心がけた方がいいかな。昔は全員が同じ動きをしてたから当たらなかっただけで。あと私クラブで小さくオタ芸打ってたんですよ。小さく打つの覚えたらいいかも。そういう話をだらだら喋る会とかやりたいですね」

――そういう事を交えたイベントもいいですよね。ライヴの話って、いつも思うんだけど、ステージの上の事ばかりで。もちろんそれは大前提だけど、会場・お客の事が視野に入ってないと。その点、ねむちゃんがヲタク好きというのは大きいですよ。ヲタこそ、そこは敏感だから。やっぱり、この子会話する気はないなってお互いにわかってる浅い関係は、全ての意味で生産的じゃない。でんぱが売れた理由は、その真逆だったからで、そこの"ヲタクが好き"ということを理解出来ないから、「でんぱはなぜ売れたのか」なんて話になるわけですよ。

「誤解を生みたくないんですけど、私、おねぇの方が好きなんです。なぜかって言うと、辛口だったり、怒ったりとかするけど、男女どっちに対しても思いやりがあるというか、どっちもの気持ちが分かるから。人間としての、学ぶべきことがいっぱいある。やっぱり言うことの視野が広いというか、双方の考えを踏まえてどっちにも優しく、でもちゃんと言うべきことは言うみたいなところがすごく好きで。私は女だけど、言ったらヲタクとアイドルのハーフだから、どっちも見れるから本当はファンはこう思ってるだろうけど、アイドル的にはこうなんだっていうのを、間で多分伝えようって思うからかもしれない。でんぱ組が大人に反抗したりする時の唯一の言葉って、『これ絶対ファン喜ばないよ!』なんです。でんぱ組って『ヲタ的には』っていう言葉をすごく使うんですよ(笑)。例えば、『ヲタ的には、この言い回しはちょっと傷つきます』とか」

――アイドルグループでそう言う人って少ないですよね。アイドル個人ではいても、グループとしてそういう空気はないんですよ。いつも会いにいける状態ではあるけど浅い。もうちょっと深くてもいいと思うんですが。

「深いってなると、色恋っぽい接し方になっちゃう。私は、男はこうしたらいいみたいな話ではなくて。と言うのも、ガチ恋を増やす気持ちが全然ないから。望むのは、深い=男女じゃなくて、深い=友達なんです。でも多くの人達は"友達"って当たり前だから、そこが"深い"とは思ってないと思う。でんぱ組が言う友達って、多くの人達から言ったらすごい深い意味で、そこでファンとの関係を築いている感覚なんです。『そういう事はよそで言わない方がいいんじゃない?』って言える間柄というか」

――そういう人達が集まったっていうことかもしれないですけど。

「いや、面倒くさいでしょ(笑)」

――それなら、面倒くさい人間の一番いい形の進化の仕方なんだと僕は思う。

「褒めてくれた(笑)。一歩踏み外したら、とんでもないメンヘラになってたと思う(笑)」

――それも間違いないけど(笑)

「どっかで、でんぱ組にならないで歩んでたら、本当にやばかったと思う」

――"深い=友達"を築けたことで、でんぱみたいに浮上して行った人達はいいけど、そう行かない子達はいっぱいいるわけですよ。

「やっぱりそれは、手段がガチ恋を増やす方向だった子だから。多分そっちで承認欲求が満たされる子とかはそうなっちゃうかも。結構今いるメンバーはあんまりそういうタイプじゃないかもしれないですね」

――どっちかと言うと恋愛が苦手なタイプ(笑)。

「ははは! いや、ドヘタ(笑)。だって誰も心配しないですもんね。昨日、やばいですよ、『誰々さん結婚したね、ねむちゃん早く結婚しなよ!』とか。みんなが私の結婚とか出産とかを応援してて(笑)、『嬉しいお知らせがあります!』って言ったら、『おめでとー!!』みたいな。『違う! 結婚しない!』って(笑)。親戚じゃないんだから(笑)。もうちょっとやきもち焼いてよって言ったら、ファンが笑うとか」

――でんぱは、その空気が出来てますよねー。昔からそうだったのか...。

「あ、でも私はちょっとすり込んだかも」

――その意識はある?

「『好きな人が出来たら、みんなに先に言うから』って言って、そしたら全然報告しないから、みんなが『まだ?』とか(笑)。私、小さい頃からそうで、このテスト駄目だったと思ったら、お母さんに4点しか取れてないと思うって言って、先にショックを与えておいて、40点でした!、『10倍じゃん!よかったね!』みたいな、そういうタイプなんです。無意識の内に、『みんながショックを受けるかも。予定はないけど言っとこう』みたいな(笑)ことをやってるかも(笑)」

――まぁ、でんぱの場合は、初期のファン達が大人だったのは、やっぱ大きいと思う。中高生グループの現場に行くと、当然ガチ恋空気なんですよ。でんぱみたいな、よしよしみたいな、お父さんの空気は感じられないわけで。

「(笑)。お父さんって言うより、ちょっと上のおじさんって感じかな。私、握手会でピンキーのファンとかすごい来るんですよ。比較的、ピンキーのファンって今のアイドルの子達の雰囲気なんですね。それで『ねむきゅん推しの子のことを好きになって』みたいな感じで来るわけです。だから『あぁ、振られたら諦めなね』とか普通に言って。そしたらファンレターで、『付き合えることになりました、お母さんありがとう』って。お母さんじゃねえよ!って(笑)」

――すごいなー、未来のアイドル形だ、それ。

「今ってLINEとかあるから、子供と子供がすぐ喋れるじゃないですか。それがダメなんだと思うんです。好きな子の実家に電話かけて、お父さんが出て、『居ない!』ガチャン!みたいな。それを経験してる人がでんぱファンにはいっぱいいるから礼儀正しいのかも。大人がいるから、怒られちゃうから。ピンキーに交際を申し込むには、ねむを納得させなきゃいけないという謎の空気感があって(笑)。握手会で挨拶に来るんですよ。それで『じゃあ履歴書を事務所まで送ってくれ』とか言って、門前払いするっていう(笑)。実家の電話っぽいっていう」

――と言うか、「実家の電話」自体が理解できるかなあ、今の子って。

「やだ~! 最近私の発言が昭和くさいって話題なんだよな~。でも実家の電話が、礼儀を作ってたと思うんですよ。『こんばんは、なになにと言います』って挨拶をして、要件を伝えるっていう。いきなり『キモイ』とか言ってこないじゃないですか、電話で。それだよ~。LINEはもう、禁止!(笑)実家の番号!(笑)」

――(笑)。まぁ子供の中で新しいルールは出来ていくんだろうけど。それにしてもライヴの話が行き着く所LINE禁止!とは!!







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